2024.08.29マーケットプレイスでの不正被害を防ぐ方法

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本記事は、Sift Science, Inc.のBlog記事「How to Prevent Marketplace Fraud」を日本語に翻訳したものです。

本記事の著作権は、Sift Science, Inc.および同社の国内パートナーである株式会社スクデットに帰属します。

Kathryn Schneider 著 / 2024年7月25日

オンライン・マーケットプレイスは急成長を遂げ、販売者と購入者の取引方法に革命をもたらしました。しかし、このような双方向のプラットフォームは、特に、組織化されたマルチレベルの不正の影響を受けやすいという、特有のリスクに直面しています。不正利用の検知は、単一のユーザータイプのリスク評価においても困難ですが、販売者と購入者の両方がいるピア・ツー・ピアの環境ではさらに複雑になります。

本記事では、マーケットプレイスでの不正で使用される手口と、企業がこれらの脅威に対抗する方法を探ります。

マーケットプレイスでの不正とは?

マーケットプレイスでの不正とは、オンライン・マーケットプレイス内で販売者や購入者によって行われるさまざまな不正行為を指します。これらの不正行為は、マーケットプレイスの信頼性を損ない、ユーザー間の信頼を低下させ、金銭的損失を引き起こす可能性があります。

マーケットプレイスでの不正の種類

不正行為はさまざまなビジネスモデルで広く問題になっており、それぞれに固有の課題とリスクがあります。従来の小売業者は、通常、購入者による不正行為に直面しますが、マーケットプレイス (Etsy、eBayなど)のような双方向モデルでは購入者と販売者双方からの不正行為が発生するため、不正との戦いを複雑にしています。マーケットプレイスでは、新規アカウントの不正作成、アカウント乗っ取り、業者のなりすましなど、さまざまな手口の不正行為が発生する可能性があります。

マーケットプレイスは、以下のような独自の不正パターンに直面します。

購入者と販売者の共謀

不正犯は購入者と販売者のアカウントを作成し、詐取したクレジットカード情報を使用して不正な取引を行います。虚偽の購買者が実在しない商品やサービスに対して、虚偽の販売者に支払いを行うケースが多く見られます。

購入者による不正

 不正犯(購入者)が盗んだクレジットカードの認証情報を使用して新規アカウントを作成したり、不正アクセスによって、信頼できる既存アカウントを乗っ取ったり、プラットフォーム上のメッセージや電子メールを介したフィッシング詐欺によって業者になりすますことがあります。

販売者による不正

不正な販売者の場合、虚偽の出品(加盟店詐欺とも呼ばれる)や商品の不当表示のような形を取る場合があります。

  • 虚偽のプロフィール/製品

被害者を欺き利益を得るために、不正犯が正規販売者のプロフィールをコピーする行為です。不正犯は偽の商品リストを作成し、購入時には虚偽の追跡番号を提供して、実際には注文を処理しません。結果、正規販売者のビジネスが犠牲になり、マーケットプレイスは信頼できる販売者だけでなく、購入者をも失うこととなります。 

  • 虚偽広告

 不当な商品表示は虚偽広告とも呼ばれ、虚偽または詐欺的な内容で商品やサービスを誤解させる表現を指します。

マーケットプレイスでの不正被害を防止し、三者間の信頼を築く方法

ピア・ツー・ピアのマーケットプレイスでは、リスクプロファイルが異なる2種類のユーザーが存在するため、リスクが増大します。単一のリスクシグナルだけでは、不審な行動を捕捉できないことが多く、微妙な行動傾向を追跡することがより効果的です。Sift のAIを駆使したインサイトを活用することで、マーケットプレイスは、類似した特徴を持つ複数のアカウント間を流れる資金や、係争中の取引に頻繁に関与しているアカウントなど、取引や行動パターンを分析することで、信頼できるユーザーを特定することができます。

SiftのAIを活用した不正検知プラットフォームにより、マーケットプレイスは以下のことが可能になります。 

既知のユーザーにより良い売買体験を提供する

ワンクリック決済などの合理化された体験により、信頼できる購買者と販売者に、理想的なジャーニーを提供します。深く正確なインサイトは、アカウント作成から決済まで、購買体験のあらゆるポイントで適切なレベルのフリクションを自動的に提供します。

不正利用を減らすことは非常に重要ですが、最もアクティブなユーザー(多くの場合最も価値の高いユーザー) の顧客体験を保護し、合理化することも同様に重要です。これらのユーザーを保護することは、不正行為を減らすだけでなく、彼らの顧客体験を向上させ、ロイヤルティを維持することにも繋がります。Siftのレポートによると、76%の消費者は、不正利用の被害に遭ったサイトの使用や買い物をやめると回答しています。

膨大なインサイトからユーザーのニュアンスを簡単に検知

Siftは、1人の不正犯に複数のアカウント・属性情報が不正に作成、詐取された場合でも、さまざまなペルソナに関連する多様なリスク行動を識別・監視する高度なインサイトをマーケットプレイスに提供します。

年間1兆件のイベントを網羅するSiftのグローバルデータネットワークは、700を超える主要ブランドで年間3,250億ドルの取引を保護しています。AIによる意思決定と自動化を活用している企業は、信頼できるトランザクションを保護し、顧客の信頼を損なう不審な行動を阻止し、収益に繋がる消費者のブランド ロイヤルティを高めるための体制が強化されています。Siftを利用するマーケットプレイスは、 2024年第1四半期に平均1.3%の不正利用攻撃率(不正利用を未然にブロックできている割合)と0.024%の不正チャージバック率を維持しました。

トラフィックの急増や季節性に合わせシームレスに対応

マーケットプレイスは、需要とともに信頼性が拡大することで急速に成長します。不正対策チームは、オンデマンド・スケール(柔軟にリソースを調整できる仕組み)により、トラフィックが急増する時間帯に対応し、既存ユーザーを受け入れ、リアルタイムでリスクを調整します。Siftは、Dynamic Friction(ユーザーのリスクに基づいてユーザー体験を最適化するアプローチ。例えば、リスクの高いユーザーにのみ二段階認証を課すなど)を通じてリスクと収益の判断を調整し、リスクに基づいて顧客体験を最適化します。

Siftの検証ツールは、リスクの高いログインに多要素認証とノーコードのセキュリティ通知を提供することで、不正を防止してユーザーの信頼を高めると同時に、信頼できるユーザーが多要素認証を迂回し、ワンクリック決済でより高速な購買体験を享受できるようにします。これらの高度な不正防止戦略を統合することで、マーケットプレイスは最も重要なユーザーを保護し、顧客体験を向上させ、消費者のロイヤルティを維持することができます。

Siftがどのようにマーケットプレイスの不正利用に対処し、貴社のプラットフォームを保護するかについて、こちらから詳細をご覧ください

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