2024.09.19Siftで不正利用が9割以上減少、業務工数も7割削減! 綿半パートナーズの成功事例

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小売、建設、貿易事業を展開する綿半ホールディングスのグループ会社として、グループ全体の共同仕入れや販促支援を担う綿半パートナーズ株式会社。

同社は、パソコンや家電を中心に扱う総合ECサイト「PCボンバー」をはじめ、グループ内のECサイトにも利用されているEC構築・運営サービス「Pay Touch(ペイタッチ)」を提供しています。今回は、「Pay Touch」の不正対策強化のため、AIを活用した不正検知サービス「Sift」を導入した背景とその効果についてお伺いしました。

綿半パートナーズ株式会社  
ITソリューションユニット ソリューションサービスセクション セクションリーダー
亘 美弘氏

導入前の課題

  • 不正手口の巧妙化により防ぎきれない不正利用があり、対策を強化したかった
  • クレジットカードのオーソリ承認率を上げて正規ユーザーの利用阻害を削減したかった
  • 日々の目視チェックによる不正判定業務が負担になっていた

不正検知サービス「Sift」の導入効果

  • 導入後4ヵ月で不正利用が9割以上減少
  • オーソリ承認率が1.3倍に改善し、比例して売上も向上
  • 業務工数の7割減少に加え、ノウハウや経験値の向上により、さらに効率的な不正判定が可能に

PCボンバーをはじめ、グループ全体のECサイトを支える、
EC構築・運営プラットフォーム「Pay Touch」

―御社が運営される「Pay Touch」についてお伺いさせてください。

EC構築・運営プラットフォーム「Pay Touch」

綿半グループでは、小売、建設、貿易、家具販売など、幅広い事業を展開しています。2018年からEC事業に本格的に参入し、「PCボンバー」をはじめとした8つのECサイトをグループで運営しています。これらのECサイト群に共通して利用されているEC構築・運営プラットフォーム「Pay Touch(ペイタッチ)」です。

「Pay Touch」は、簡易にECやウェブサイトを立ち上げることができるプラットフォームで、サイト構築にあたりプロフェッショナルなリソースを活用できる点や、クレジットカードをはじめとした決済手段の多様性が大きな強みです。加盟店の要望に応じて、カート機能や決済機能のみを提供することもでき、グループ企業のみならず、外部企業でもご利用いただけます。

Sift導入前、目視による不正対応業務は月間90時間に
巧妙化する不正にも早急に対策する必要があった

なぜ「Pay Touch」に不正検知ソリューション「Sift」を導入されることになったのでしょうか

PCボンバーは、パソコン、タブレット、ゲーム端末などの高額商品を多数取り扱っており、不正利用対策が重要な課題となっていました。これらの高額商品は不正犯にとって魅力的であり、ターゲットとされる前に早急に対策を打たなければならないと危機感を持っていたのです。

また、「Pay Touch」を利用するECサイトの注文は、すべてEMV3-Dセキュアによる本人認証を行っていましたが、巧妙化する不正利用を完全に防ぎきれないとも考えていました。

「Sift」の導入前は、目視による不正判定にかなりの工数がかかっていました。不正判定は蓄積していた不正配送先リストをもとに、氏名や住所、メールアドレスなど、注文情報を目視で多方面から確認し、不審な場合にはカード会社に問い合わせます。この作業は非常に時間がかかり、平日は2名、休日は1名体制で一人あたり1日1~2時間ほど、月間で約90時間も要していたのです。さらに、他の業務もある中で合間の時間に対応しなければならず、効率もあまりよくありませんでした。

「Sift」選定の決め手は、グローバルなデータネットワークも活用した
AIの自動学習による高度な不正検知

「Sift」を選定する際に重視したポイントは何ですか。

3つのサービスが候補にあがっていたのですが、「Sift」を選んだ理由は、AIによる自動学習を活用した高度な不正検知能力と、日本を含むグローバル規模の広範なデータネットワークを利用できる点にありました。

従来のルールベースの不正検知では、決まったパターンにしか対応できず、より高度で巧妙な不正行為への対処が難しく、場合によっては正規のユーザーまで弾いてしまうリスクがありました。複数のECサイトで利用される「Pay Touch」において、「Sift」が日々パターンを学習し、より高水準の不正利用対策が実現できるのは非常に魅力的でした。

さらに、導入時からスクデットのサポート体制が充実しており、当社に不足していた不正に関する知識や不正対策のノウハウが十分に提供されたことも、重要な評価ポイントとなりました。

綿半パートナーズ 亘様

わずか2ヶ月でスムーズに導入
スクデットの手厚いサポートにより、AIチューニング精度向上に加え、社内ノウハウも蓄積

導入からサービス開始までのプロセスはどのようなものでしたか。

「Sift」の導入は非常にスムーズに進みました。

決定から導入までの期間は約2ヶ月で、最初の1ヶ月はECサイトの開発を行い、そのあとの1ヶ月はAIモデルの学習とチューニングが行われました。導入初期には、AIの学習に必要な教師データを提供するため、当社とスクデットが共同で目視チェックを行い、その結果を日々スプレッドシートで共有します。

この取り組みにより、システムの学習精度が向上し、次第に自動化が進むとともに、目視チェックの手順や確認すべきポイントを細かく丁寧にレクチャーしてもらうことで、当社メンバーの不正判定に関するノウハウも蓄積されました。

導入後もスクデットの手厚いサポートは続いています。AIを補完する検知ルールの提案や実装も行ってくれますし、問題が発生した際は迅速に対応してもらえるため、安心して運用を続けています。

導入4ヵ月で不正利用が9割以上減少、オーソリ承認率は1.3倍に向上。
業務工数も7割削減した「Sift」の導入効果

「Sift」の導入効果はいかがだったでしょうか。

「Sift」の導入効果は驚くべきものでした。まず、導入4ヵ月で不正利用が95%以上減少したのです。

また、不正利用が大幅に減少したことから、クレジットカードのオーソリ承認率が、導入以前と比較して1.3倍まで上昇しました。おそらく「Pay Touch」のカード会社からの信用度が高まったからだと思います。オーソリ承認率の向上に伴い、本来、正規のユーザーのカード利用にも関わらずオーソリで否認されていた注文が成立するようになり、サービス全体の売上機会の増加にもつながっています。

スクデットからは、適切な不正対策を実施し、不正抑止できているECサイトのオーソリ承認率は90%前後と聞いていますが、当社もそう遠くない時期にその承認率を達成できる見込みです。

さらに、業務工数も大幅に削減されました。「Sift」の導入により、目視チェックしなければならない件数が、全体のうちほんのわずかになったので、従来のチェック体制では、1日1~2名、それぞれ1~2時間対応していた不正注文の確認作業が約7割削減され、1日30分程度の対応で済むようになったのです。

これにより、スタッフの負担が軽減され、他の業務にリソースを集中することが可能になりました。

AIと人間の経験値を融合し、不正利用を限りなくゼロに近づけたい

今後の展望をお聞かせください。

「Sift」の運用において、ミドルリスクの取引に対する人の目視チェックは重要な役割を果たしています。全体の件数の中のほんの一部なのですが、AIによる判定で不正か判断できなかった取引については、目視で確認し、結果を「Sift」にフィードバックします。このフィードバックによって、システムはデータを学習し、次回同じようなパターンが発生した際には、より精度の高い判断が可能になります。

AIは自動学習によって日々進化しますが、その精度を維持・向上させるためには、継続的な運用とチューニングが欠かせません。不正検知システムの効果を引き出し活用するには、最終的に人間の経験値が重要だと考えています。

不正利用の被害を最小限に抑え、ECサイトの健全性を維持し、エンドユーザーが安心して買い物を楽しめる環境を作ることが、我々の最優先事項です。今後も「Sift」を活用し、不正利用を限りなくゼロに近づけられるように、より一層強固な不正利用対策を講じていきます。

綿半

綿半パートナーズ株式会社

事業内容 グループの共同仕入れ
プライベートブランド商品の共同開発
運送業務の合理化と在庫の管理
Sift導入サービス

Pay Touch

サービスサイト

https://paytouch.jp/           

公開日:2024年9月19日